④神川地域と蘇民将来符

③で述べた信濃国分寺の蘇民将来符の形状や図絵は格調高いとされており、全国各自に伝わる蘇民将来符の中でも特に高く評価されています。その格調高さは神川地域の農民の芸術性の高さを表しているともいえます。

信濃国分寺の蘇民将来符は農閑期に農民の手作業でつくられており、昔から郷土玩具や民芸品として有名だったようです。
神川地域で農民美術を提唱した山本鼎が編集し、日本農民美術研究出版部より発行された「実用手工芸講座男子部、木工、木彫、塗術合本」には、明治40年代に大阪で作成刊行された「地方玩具見立」が掲載されています。この見立て表に蘇民将来が東の方前頭5枚目として上位の番付で記載されており、当時からすでに郷土玩具としても広く人々に知られていたことがうかがえます。
加えて神川地域は、先ほども述べたように山本鼎の農民美術発祥の地です。そのような地の農民が参与していることからも格調高いと評価される理由であると考えられます。

このように信濃国分寺の蘇民将来符は地域住民の家を守ってきた護符として、重要な役割をもつだけでなく、伝統文化の芸術性の高さを表すものとしても重要なものと言えるでしょう。

登録日:2025-02-10 投稿者:蛙mm
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