久米正雄『父の死』から見る、千曲川

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久米正雄は、上田市片平町出身の小説家だ。1916年に、自身が子どものころに経験した父親の死と周辺の事情をモデルにした小説、「父の死」を記した。次の文章はその小説における一節である。

「その年の春は、いつもの信州に似げない暖かい早春であつた。私共の住んでゐた上田の町裾を洗つてゐる千曲川の河原には、小石の間から河原蓬がする/\と芽を出し始めて、町の空を穏かな曲線で画つてゐる太郎山は、もう紫に煙りかけてゐた。」

この文に登場する千曲川に行った。
千曲川に流れる水は透明に澄んでおり、キラキラと日の光に反射して流れていた。「父の死」では小石の間から河原蓬が芽を出し始めていると書かれていたが、私が行ったのが冬なこともあり蓬を見ることはできなかった。今でも春頃になると見ることができるのかは気になる所だ。

久米の子供時代となると明治の頃であるが、それ以前からずっと変わらずに流れ続け、人々の心に残り続けていると考えると感慨深いものがある。

参考資料
久米正雄『父の死』(1916,底本:「ふるさと文学館 第二四巻 【長野】」ぎょうせい1993(平成5)10月15日初版発行),青空文庫,
https://www.aozora.gr.jp/cards/001151/files/49280_34317.html(2026年1月17日閲覧)

上田を支えた人々〜上田人物伝〜 https://museum.umic.jp/jinbutu/data/009.html (2026年1月17日閲覧)

登録日:2026-01-21 投稿者:すのう
地区コード上田市
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