80年前の雑誌を読んでみる(藤本蚕業歴史館の資料記録)

80年前の雑誌を読んでみる(藤本蚕業歴史館の資料記録)

9月に藤本蚕業歴史館で保存されている資料のデジタル化を行い、藤本蚕業アーカイブ(https://d-commons.net/fujimoto-arch)に投稿しました。

またデジタル化した資料(今回は戦前と戦後の雑誌)を読んだので以下感想です。特に婦人誌からは当時の世論や女性観が分かりました。

[ck-3-202] 婦人朝日 (1946)
https://d-commons.net/fujimoto-arch/mentou0814?c=&p=128637
1946年発行5月号

話題は主に新憲法についてで、終戦から一年たっていない日本で新憲法がどのように受け止められていたか知ることができます。単なる時事解説だけでなく、婦人誌らしく新しい女性の権利や役割にも触れられていました。
最初の寄稿(「新憲法と戦争放棄」横田喜三郎)では「これまで極度の軍国主義だった日本が憲法に戦争放棄を明記しても国民はその気になれるのか、頭の切り替えはできるのだろうか」と問題提起がされていました。
世界的な反戦の風潮に従って否応なしに日本は変わらなければいけないと結論づけられていましたが、戦後はこれまで正当化されていたことが断罪され、人々は頭の切り替えが大変だったのではないか、どのように考えていたのだろうかと自分も疑問だったため、当時の状況を少しでも伺えて興味深かったです。
また、戦争と平和については婦人の方が健全な判断を下せるので、参政権を得た婦人の良識に期待したいとも述べられていました。
後半は恋愛の話題も多かったです。


[ck-3-210] 婦人画報 (1948)
(https://d-commons.net/fujimoto-arch?c=&p=128593)
1948年3月号 

内容は洋服の着こなし、野菜の栽培法・医薬品一覧の生活感を感じる綴じ込みページ、政治や文学の寄稿など。
「日本のインフレの現状」高橋正雄は当時の経済について詳しくなかったのでへえと思いながら読んでいましたが、日本の経済はだいぶ危うい状態だったことや終戦から二年半経っても闇市が普通にあることを知って意外と勉強になりました。
個人的におもしろかったのが「私の渡米日記」。日本人女性が船で渡米するまでの日記ですが、楽しいアメリカ生活ではなくほとんど三等船室での辛い日々のお話です。

余談だすがオペラの口紅と資生堂の化粧水の広告を見つけました。新聞や雑誌の広告の中に知っている老舗企業 を見つけると嬉しいし、広告だけ眺めていても「当時はこんな商品が流通していたのか......」と発見があっておもしろいですね。


[dc-7-35-1] 写真週報 (1940)
(https://d-commons.net/fujimoto-arch?c=&p=128612)
1940年10月9日号

藤本蚕業歴史館にある週刊誌・写真週報はほとんどが1938年発行の刊ですが、一冊だけ1940年発行の刊があります。
内容は同年9月27日に結ばれた日独伊三国条約について、それに関連したドイツとイタリアの特集など。1938年発行の刊ではドイツに好意的な内容が多かったとはいえアメリカやイギリスのニュースも普通に載っていましたが、二次世界大戦が始まっていたからか英米は敵国として扱われていました。
1938年発行の刊でも日本はすでに「銃後」(日中戦争)で戦争色の強い内容でしたが、それがさらに強まって時代が変わった感じがしました。
表紙も母子が墓参りをする写真でなんだか悲壮感があります。

登録日:2024-10-15 投稿者:しおり
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