地域メディアの種類、特徴、課題を調査し、在り方を探る。
地域メディアとは、一般的には日本全国ではなく、特定の地域を対象として情報を伝達する媒体とされている。
「地域」の範囲として、都道府県や市区町村を1つの範囲とする分け方だけでなく、東北地方・九州地方といった広範囲な地域ブロックや、尾張地方・三河地方、県北・県南のような地理的・文化的背景で分けた地方、小さいものでは学区まで様々な分け方が存在している。
「メディア」の種類には、新聞やフリーペーパーのような紙媒体、ラジオやテレビなどの音声を含むもの、ブログのようなwebが存在しており、それぞれ情報の発信者や情報量などに特徴がある。
メディアの種類と特徴として、
・新聞は、一般的に情報の信憑性が高いと思ってもらいやすい、情報の重要性の強弱が視覚的に分かる、情報発信が一方向的
・フリーペーパー・情報誌は、エンターテインメント性が高い場合が多い、専門情報誌はニッチな情報を扱える
・ラジオは、予期していなかった情報に触れる可能性が高い、リスナーが固定的な傾向にある
・テレビは、視覚聴覚を使っており誰にでも分かりやすい、情報の取捨選択が発信者側に委ねられ、一方向的
・webサイトは、情報が無限に蓄積できる、web全体の情報は玉石混交であり、ユーザ側のメディアリテラシーが特に必要、情報検索の結果は個人にカスタマイズされる
・SNSは、個人が世界中で簡単に情報のやりとりをすることができる、極めて即時的な情報発受信が可能
という特徴がある。
地域メディアはどのような役割があるのだろうか。
知りたい情報・伝えたい情報という2つの観点で考えてみる。
情報取得のニーズとして、
・住民は、生活に密接に関わる情報として、天気や交通情報、事件事故等のニュース、子育てや介護等の支援情報、お店など購買・サービスに関する情報、冠婚葬祭や行事等の情報、サークル情報など
・通勤・通学者は、仕事や学校生活に関わる情報として、天気や交通情報、事件事故等のニュース、飲食店の情報など
・関係人口(「関係人口」とは、昔住んでいた・家族や友人がいる・旅行などで訪れ気に入っている等、その地域に関して関心や交流がある人のこと指す。)は、地域の特徴や大きな出来事・イベントの情報として、地理・歴史や文化について、事件事故等のニュース、観光イベント情報など
・ゆかりのない人は、その時・その場所の情報として、乗換案内などの交通情報、宿泊施設情報、近隣の観光地やお店の情報など
を必要としている。
情報を伝える目的は、主に情報を受け取る相手に認知してもらう、関心を高める・意識を変える、行動を促すの3つである。
情報発信のニーズとして、
・行政は、税や手続きの情報、支援情報、防犯防災情報、行政主催のセミナーやイベントの情報、予算や投票等地域運営の方針や意思決定に関する情報など
・企業・民間団体は、商品や会社の紹介、セール情報、イベント情報、問題提起など
・個人は、自由な意見や感想・口コミ、体験談など
がある。
情報を発信する主体によって、発信できる内容や発信できるタイミング、内容の信憑性なども変わる。例えば、行政では公正中立な立場として正確な情報を発信することが求められるため、発信する情報の範囲が限られていたり、発信に時間がかかる傾向にある一方で、個人は、かなり素早い情報発信が可能であるが、情報の信憑性や切り取り方は様々である。
地域メディアの役割として、情報発受信者のニーズを満たすこと、つまり、知りたい情報を知りたい人に届け、伝えたい情報を伝えたい相手に届ける役割を担うことが期待され、その上で、情報の流通をより円滑に、また情報発信者と受信者の接点を増やしたりつながりを密にすることが期待される。
地域メディアの課題として、地域住民に向けた情報発信なのに、県全域の情報が載っていることで住民の生活範囲の情報が埋もれてしまったりということがあるため、情報を届けたい相手(や相手のニーズ)が明確でないことが挙げられる。
まとめ
地域メディアの在り方として、情報を届けたい相手(や相手のニーズ)を明確にし、その情報を効果的に伝えるために、届けたい相手に合ったメディアを活用していくことが重要であり、それぞれの媒体にメリットがあるから、使い分けていく必要があると考える。
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投稿者 | ゆ |
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