養蚕農家の生活1 西沢吉次郎さんの話

養蚕農家の生活1 西沢吉次郎さんの話

 上小地域から桑畑とともに養蚕農家が姿を消して久しい。蚕の飼育についての記録は残っているが、蚕とともに暮す生活の記録はあまり見当たらない。知る人もわずかになり、聞くことも難しくなっている。
上小郷土史研究会が平成2年に発行した「大正から昭和へー町や村の暮らしー」所載の西沢吉次郎さんの作品は、当地の養蚕農家の生活を描いた貴重な記録である。西部地域の記録ではないが、養蚕・蚕種製造をする農家の生活を想像する手立てとして使用することを許可してもらった。
 西沢さんは1919(大正8)年、現上田市真田町本原に生まれ、子供のころの農業や養蚕の手伝いをした思い出を記録している。明治の中頃から大正、昭和初期は、繭景気が良い時代で、「米の成る田に桑の木植えて、お前食う木かくわ(桑)ぬ木か」というざれ言が生まれたほど養蚕が盛んな時期だった。西沢さんの家は、水田700坪(2310㎡)、麦や野菜を作る畑は250坪(825㎡)ほど、残り1000坪(3000㎡)は桑畑という中農だった。 

なお、西沢さんの記録をもとに分かりやすいように項目を立て、原文を入れ替え、加筆修正し、解説を入れた。
 
写真は、現在の本原地域。画面下の枠外に神川が左(北)から右(南)に流れている。画面上は烏帽子岳。烏帽子岳から流れ出る大沢川が作った扇状地になっている。中央にある大きな建物は本原小。西沢さんの生家はこの辺り。近年は、新興住宅地となっているが、本原小を境に下部が水田、周辺から上部にかけては畑や桑畑の農村だった。昭和3年から昭和47年まで、画面下の国道144号線と神川間を上田交通真田・傍陽が走っており、本原駅があった。

登録日:2021-10-12 投稿者:やまさん
地区コード上田市
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    カテゴリ名養蚕農家の生活
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