昭和5年は、米国の不景気によって繭価が大暴落し、1貫1円90銭となり、東北の繭糸であまりの安値に業(ごう)を煮やした人が競りを流し、上田まで持ち下して競りにかけたところ前より安値でそこも流して持ち帰り、川久保橋から神川に押しあけて家に帰ったなんて話も聞きました。
繭価の安値は幾年も続いて私たちが6年生で行く直江津旅行も中止となり、高2の時の東京旅行ももちろん中止でした。村費による先生たちの給料も不払いとか減額給付といった話も聞きました。また、上小の青年団が電気料の不払い運動もやりました。
繭価はいくら安くてもこの道しか現金収入のない農家は、来年の蚕飼いのために高い肥料や蚕種、蚕具の購入資金に窮し、人から借りてまでも用意せざる得ませんでした。
引用文献
「大正から昭和へー町や村の暮らしー」上小郷土研究会 平成2年発行
養蚕業について他39篇 西沢吉次郎 著 64p~74P
西沢吉次郎 大正8年生 上田市久保林287
地区コード | 上田市 |
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投稿者 | やまさん |
管理番号 | 3157 |
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カテゴリ名 | 養蚕農家の生活 |
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