思わぬ洪水5 「矢出沢川の流下能力を超える神川からの流入、用水路にも」
平成22年の水害時の降水量は、上田で時間雨量56mm,累計雨量82mmでした。時間雨量は上田市観測史上1位となっていますが、累計雨量は昭和39年より少なく、用水路も改修整備されているのになぜ水害がおこったのでしょうか。同時刻、菅平94mm、真田110mmと流域面積が矢出沢川により格段に広い神川流域に多量の降水がありました。矢出沢川は、懐の浅い太郎山の金剛寺地籍から流れ出た沢水を集めた川で、梨ノ久保沢、黄金沢などを合わせても水量はわずかなので下流の水田を潤おすには足りず、江戸時代に神川から水を取り入れる堀越堰が作られました。堀越堰ばかりでなく古代から拓かれていた神科台地の用水も神川の上流から取り入れられており、余った排水は蛭沢川などを通って矢出沢川に落ちています。平成22年の水害は、真田地区でも多くの床下浸水被害を出し、堰によって神川と繋がる矢出沢川に流入し、矢出沢川の屈曲部や堤防の低い場所で溢れでたものでした。 西部地区には、八幡橋下流で矢出沢川から流れ込む堀越用水に加えて和合沢(白蛇)、虚空蔵沢(緑ケ丘西)などの沢水も加わり洪水となって押し寄せて来て、用水路を溢れた水が常磐町、秋和、上塩尻、下塩尻に浸水被害をもたらしました。
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投稿者 | やまさん |
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