通俗滑稽信州地質学の話 緒言

通俗滑稽信州地質学の話 緒言

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保科百助は地学標本をなぜ作るのかについて「通俗滑稽信州地質学の話」(明治36年、1903年)に記しています。

緒言

学者とは何の九もなき事を八釜しく七六かしく五も一つ事を二三遍繰り返しても四ろう人には分らぬやうに説明するものなり。五無斎学者に非らず、生得魯鈍殊に数学的能力に乏しく美術ときては文字のやうなる図画や図画のやうなる文字を書いては人を驚かしたる程のしれ者なり。文学とても得手なりと言ふには非ずと雖面白半分に滑稽将た通俗に素人分りのする様に信州地質の話を書いて見んと思うなり。三十四及五両年間信州の山河を跋渉したる所によりて幾分か研究したる事もあれば壱弐割の法螺は到底免れざるべきも三割以上の虚言はつかさるべし。看官諸君幸に許し給へかし。


現代語訳

学者とは何も難しくないことをやかましいぐらいに一つのことを二度も三度も繰り返して素人にはわからないように説明するものである。私は学者ではなく、生まれながらに頭が悪く、とりわけ数学の能力に乏しく、美術に至っては文字のような図面や図画のような文字を書いて人を驚かせたほどの者である。文学も得意というほどではないけれども、面白半分におどけた、素人受けするように信州の地質の話を書いてみようと思ったのである。三十四、五年間、信州の山河を歩き回ったことがあり、いくらかは研究したこともあるので、一、二割の間違いはあるかもしれないが、三割以上のウソはないであろう。読者の皆様、どうかお許しいただきたい。

登録日:2020-09-15 投稿者:蓼科学
地区コード立科町
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