上田の蚕業について⑤
常田館製糸場に行きました。飾ってあるクラフトの中には猫が多く「猫は蚕の神様です」という張り紙もあり、また、猫瓦というものも展示されていました。
上田の蚕業について記された記録には、「養蚕で恐ろしいことは、蚕が病気で死んでしまうことです。(中略)羽虫や鼠の防除にも配慮するよう注意しています。鼠は蚕を食べてしまうので、猫を飼ったり、猫の画を蚕室に貼ることも流行しました」(「上田市誌 近現代編(2) 蚕都上田の栄光」22ページ 上田市誌編さん委員会 平成15年3月1日信毎書籍印刷株式会社より)という記述があります。
公益社団法人 日本動物福祉協会のホームページでは、「【動物福祉】とは一言でいえば、『動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していること』です。」と紹介されています。この環境に調和しているという点において鼠の駆除は大きな役割を果たしたのではないかと考えます。現在の社会では、猫を家の中で飼い、餌をあげることが普通になっていますが、それだけではなく飼い主以外の人たちと関わる機会を設け、鼠を捕るなど猫の本能に基づいた行動の自由を保障するということは、捨て猫や猫の虐待を防ぎ、人間や他の生物、その他の環境と調和をはかるための一つの形ではないかと思われます。
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投稿者 | tohu |
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