前回イナゴを中心に信州の昆虫食について紹介したが、今回を含めあと三回投稿する。今回の主役は蚕だ。
上田市は過去、蚕糸業において国内でも有数の産地として名を馳せていた。今は蚕糸業は見る影もないのだが、現在のその面影を拝むことができる。その一つが蚕のサナギの佃煮である。前回紹介を失念していたが、イナゴ、蚕のさなぎ、次に紹介する蜂の子、ザザムシの佃煮は伊那市の食品会社「つかはら」で製造された物である。購入したのはツルヤ神畑店である。(身近に売っていて驚いた。)
蚕の歴史をさかのぼると、195年、百済によって蚕種が日本に伝えられ、283年には養蚕と絹織物の技術が伝えられた。実は日本では生糸だけではなく蚕種の輸出も経済発展を支えていた。韓国、中国、タイなどを中心とした東アジア地域では高級食材としての蚕を食べる文化があった。長野県でもタンパク源として絹を取った後の蚕のさなぎを佃煮にして食べることがあったという。
実際に食べてみたが、身はしっかりしていて食べ応えがある。癖も大して強くなく、ご飯のお供やお酒のつまみとして食べるには調度良いのではないだろうか。
地区コード | 上田地域(上田市) |
---|
管理番号 | 3 |
---|
カテゴリ名 | 食文化 |
---|