蜂の子
前回に引き続き昆虫食を紹介する。今回は信州昆虫珍味の中でも特に美味しいと言われる機会が多く、一部の家庭では比較的常習的に食べられている蜂の子を調査した。
信州で主に食べられている蜂の子はクロスズメバチの幼虫らしく、この種は地中に巣を作ることから「地蜂」とも呼ばれるそうだ。一部地域ではクロスズメバチを「スガレ」や「ヘボ」という特有の名称で呼ぶ地域もある。蜂を食べる行為は実は全国的に類似例が多く存在する。信州蜂食の中心地伊那市では蜂の子を採るために「蜂追い」なる独自的な伝統技法があり、これは生態系の文化的・供給サービスの代表的な例としてあげられるだろう。クロスズメバチが多く生息する中部地域でも地域によってその食慣行には差があり、食用としての蜂採取は信州内で、より積極的な動きが見られるという。
蜂の子はそのおいしさや健康食材としては魅力だけでなく、信州南部地域を中心に特徴的なアクティビティを生み出した。今後自然環境と人間の関わりを深める一つの手段として昆虫食を通した採集活動を提案してみるのもいいかもしれない。
参考文献https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhg1948/41/3/41_3_276/_pdf
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投稿者 | ONODERA |
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