明治28年の海野町を記録した写真

明治28年の海野町を記録した写真

海野町のすや(酢屋)呉服店が所蔵している古い写真の一枚。写真の裏面には「明治二十八年」との書き込みがある。1895年(明治28年)は、日清戦争が終結、勝利した年に当たる。旭日旗や「送小林」の旗などが見える。出征兵士を送り出す情景の記録ではないだろうか。海野町商店街の沿道に大勢の人々が繰り出し、人々の目線が写真機の方を向いている。向かいの店の看板「酢屋本治郎」が読み取れる。

驚くことにその軒先の屋根上に楽隊が陣取っている。大太鼓、小太鼓、クラリネット、チューバ、ホルン(他にシンバルも?)が確認できる。明治のこの時代にこれだけの楽器を有する音楽隊があったことを物語る貴重な証拠写真である。当時、上田が西洋文明をいち早く吸収した先進的な文化都市であったこと、経済的にも反映していたことを雄弁に物語っている。

画像の【ダウンロード】を選んで画像を拡大表示して欲しい。写真が驚くほどに高精細で細部がこの画像からよく確認できる。服装の違いだけでなく、人々の顔かたちも現代の日本人とははっきりと違う。撮影当時の社会の様相が仔細に確認できる点でも貴重な写真記録である。

登録日:2021-03-26 投稿者:信州上田学アーカイブ
地区コード上田地域(上田市)
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カテゴリ名写真記録
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