新国立劇場とオペラ文化の進化

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新国立劇場

新国立劇場が開館して今年2022年で25周年になります。昨日、久しぶりに新国立劇場を訪れました。グルックの『オルフェオとエウリディーチェ』が演目。なかなかによかった。それと共に改めて感じたことは日本のオペラ文化の著しい進化です。上演の高い質が保証されているかのように、こうした上演が当たり前に行われるようになっていることにここ数十年の進化があります。「ローマは一日にしにしてならず」のたとえの通り、我が国におけるオペラが長年の人々の努力・英知によって積み上げられ、磨き上げられてきたものであることを思います。

私がオペラを劇場でも聞き始めたのは1979年から。大学生の時分です。日本人による二期会の上演に接し、がんばってやっているなあ、と思ったのがその頃のこと。来日公演したコベントガーデンやウィーン国立歌劇場などと比べると現実には段違いの差がありました。

実は私が生まれる遥か昔から、藤原義江氏らが日本でオペラを上演してきた歴史はあっても、現実の上演の質は私が聞き始めた頃も満足できる水準には必ずしもなく、学芸会の上演を見ているような印象を受けることもあったことは否めません。

新国立劇場が開館した1997年に観た『ローエングリン』も上演の質的な面での失望が大きく、私個人の中では「新国(しんこく)シンドローム」となって新国立から足が遠ざかる直接的な要因となっていました。

その後、新国立を訪れたのは2019年の『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』の時。めったに見られないツェムリンスキーのオペラ上演が見たいと思ったのが新国立を訪れた動機です。前回から20年が経過し、上演の質はグッとあがっていました。今回の『オルフェオ…』も前回同様によかった。

日本に国立歌劇場ができてよかった。これも国の文化政策の賜物と思います。それ以上にここ数十年の間に演奏家や歌手の裾野も広がり、先人たちによる積み上げがこの水準をもたらしている背景にあることを実感します。

登録日:2022-05-22 投稿者:ミッチー
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