『蚕種同業組合沿革史草稿』大正7・8年頃

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歴史を開ける扉。タイムカプセルと言ってもいい。

2017/06/03、上田蚕種を訪問しました。その際に、手塚社長からこんな史料があると見せていただいたのが『蚕種同業組合沿革史』です。「長野県小県郡蚕種同業組合沿革史草稿」がタイトル。前編・中編・後編・続編と４分冊になっています。

「大正七年九月三十日　長野県小県郡蚕種同業組合　組長　中島精一」と記されています。1918年…と言えば、上田町が市制を施行する1919年の前年に当たります。蚕都上田が全盛を迎えた時代と言ってもいいでしょう。

史料の中味は見ていませんが、しっかりとした装丁の文書であるにもかかわらず「草稿」と題されているのは、「望ムラクハ訂誤ノ行クベキモノアラバ請フ垂教忌憚ナカランコトヲ」と末文に記されているように、「誤謬があればはばかることなく教えを請いたい」という趣意によるものでしょう。

この中で特に重宝しそうなのが「組合関係沿革一覧表」（大正八年二月調）。蚕種製造に関わった主要人物が年表的に一覧化されています。組合名称も変遷し、組長ばかりでなく、常備委員、常議員、評議員、小県郡長などの名前と期間が記されています。そういえば「蚕種同業組合」という名称は聞いたことがありません。「上田蚕種株式会社」や「上田蚕種協業組合」の名称に接することが多い。その時の組長であった中島精一は小県郡長を務めた人物であることもこの相関図からすぐわかります。

文書を埋もれさせることなく、何とかデジタル化・アーカイブ化し、遍く知られる文書となることを願うものです。ただし、それを実行するには誰かが作業をしなければならず、実はそれができそうでできない。そのために要する時間は？　と考えると１時間から２時間ぐらい。できなくはないだろうと思っています。いずれ、忘れることなくその対象とするためにもこの文書を備忘しておきます。

ハッシュタグ （キーワード）	蚕種同業組合 デジタルアーカイブ 文書 中島精一 蚕種同業組合沿革史草稿 蚕糸業 蚕種製造 上田蚕種
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投稿者	ミッチー