明治時代と現代の美容を比較する

日付:2023年 作成者:みこも

明治時代の文献を利用し、当時の服装、化粧、流行などの特徴を取り上げ、現代との違いを述べる。

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明治時代から女性の化粧はマナーだった

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https://jpsearch.go.jp/item/dignl-848938


明治時代の書籍「化粧と服装」によると、「婦人は世のため装飾する義務を持つ」とある。
女性がメイクをするのはマナーであることは、明治以前から言われていた。
「婦人が身を装う事必ずしも惹こうとの目的のみではない」
「装飾に身分と年齢との相応の程度のあるべき事」
年相応のメイクが求められているのは現代と変わらないことがわかった。
「身だしなみの心得は、第一が色の配合、第二が形の配合」とされている。
「自然の理に適っているのが装飾の最上となるのである」と書かれていることから、現代でも日本でナチュラルメイクが好まれている所以がわかった。


明治時代のお洒落と色

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婦人の装飾には二方面があり、そのいずれもおざなりにはできない。二方面とは第一が肉体の美、第二が服飾の美とある。
肉体の美とは、紅を塗り白粉を施しあるいは肉色を麗しくはせ、あるいは穢れを着けず、あるいは手の指を美しくさせ、あるいは爪紅を入れあるいは顔立ちによって白粉の塗り方を違える。
顔色を良くする化粧や、顔立ちによって化粧を変える等は現代と共通していることがわかる。

服飾の美とは髪の飾りから始めて、衣服、指輪、下駄など体の格好に応じて帯の締め方もあり、顔の色に応じて半衿や羽織などの色の去り嫌いもあり、良くも悪くもこれひとつでどうでもなる。とある。
顔の色に応じて服装や化粧を変えるのは、今で言う「パーソナルカラー」にあたるのではないかと思った。明治時代からパーソナルカラーの概念があることに驚いた。

色の配合
赤、黄、青を原色とし、
赤色と黄色は積極的原色(陽)、青色は消極的原色(陰)としている。
赤色、緋色、紅色など、さまざまな色の意味が記されていた。同じ赤色でも名前や意味の異なる色が存在している。
面白かったのは黄色が「赤よりも少し寂しい」「赤よりは老けた、大人らしい印象」「男らしく鋭い」と説明されていたことである。現代とは少し価値観が違っている。

互いによく合う色
1.紅と緑
2.青と橙
3.紫と黄
4.紫と淡紅
5.深紅と鼠
6.金鳶と紺
色相環で正反対に位置する「補色」に当てはまる色が多い。


明治時代のスキンケア、パーソナルカラー

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日傘は廃れ、西洋風の小型な蝙蝠傘が流行っていた。雨の時は不便であるが、「流行のため仕方がない」と言われているのが面白い。
流行に振り回される当時の人の苦労が垣間見えた。
青みがかった顔色の人は紅色、茶色の傘を選ぶと顔色とうまく調和する。青、紫、緑は顔が尚更青ざめてみえ、黄色の顔色が悪く見える。
赤みがかった顔色の人は、青、紫、緑色の傘を選ぶと顔色とうまく調和する。紅、茶色は顔が尚更赤く見える。
現代の「ブルーベース」「イエローベース」は最近生まれた概念だと思っていたが、明治時代から存在していた。

明治時代の人はグリセリンを水に溶いたものを顔に塗り保湿していた。現代の化粧水の主な成分にグリセリンは含まれている。また、肌が白いのが美しいとされている価値観は明治時代から変わっていない。


まとめ


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明治時代と現代の美容について比較してわかったことは、いまも昔も変わらず日本人女性の美意識は高いことである。
年相応で、素材を活かす化粧が愛されるのは昔から変わっておらず、日本人女性の繊細な美意識からくるものであることがわかった。
意外だった点は、化粧水、パーソナルカラー、色の組み合わせの概念が明治時代からあった点である。
この分析を通して、一人の日本人女性として「日本人の美しさ」を大切にしていきたいと思った。


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