新「信州学」プレイバック

新「信州学」プレイバック

画像は『わたしたちの信州学』表紙の一部を転載

▼新「信州学」推進事業(長野県教育委員会教学指導課)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyoiku/documents/19shinshugaku.pdf

阿部長野県知事が旗ふりして始めた地域学「信州学」推進事業です。その副読本も作られ、ネット公開されました。
▼eReading Books『わたしたちの信州学』
https://ereading.cs.nii.ac.jp/nagano/book/shinshugaku/1

長野県の県立高校全校で地域学を実践するという方向付けは望ましいことであった一方、いきなり「信州学」を実践しなさいという号令はそれぞれの学校にとって反応のしようがないものであったことは否めません。

「信州学」は地理学者の故・市川健夫先生(1927-2016)が生涯をかけて集成された「信州学」が元祖です。それに対し、新「信州学」は「みんなで学ぶわたしたちの信州学」です。新「信州学」と事業名が謳われたのはおそらく市川健夫先生の「信州学」に対する敬意からでしょう。

上記の副読本は薄めのささやかな冊子にとどまっています。高校生たちが地元長野県をフィールドにそれぞれの関心事から自分が探究したい対象を探し、探求にいざなうのがねらいです。私から見ると、この副読本自体、こういう学びの世界があるよと半ば誘導しているように見えます。「主体的で探究的な深い学び」にどういざなうかは、現代的な課題です。新「信州学」推進事業は思うような広がりをみせることなく、次なる発展の口実のもと終息した感じは否めません。本当は「地域学、とっても面白いんだよ!」と高校生たちだけでなくすべての人たちに発したいメッセージです。

登録日:2023-10-10 投稿者:ミッチー
地区コード長野県
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