「地域の歴史を最も体感できる場所が文化遺産であると考えているため、そこに訪れ、今よりさらに上田の歴史を知りたい」という目的のもと、上田市の文化遺産を探求したもののまとめである。
★クリップ
空海が開き、鎌倉時代に長秀上人が発展させた前山寺。
塩田北条氏の祈願寺となった。
境内に入ると空気感が一気に変わる。
本堂は立派なかやぶき屋根。
三重塔は二層三層にやりかけの部分があるが、不調和が無く「未完成の完成塔」と言われている。
境内内にある鐘は世界観に没入する観光客に時刻を伝える。
山の中にあり、車がないとアクセスが難しいと感じるが、
藤の名所とも言われているので是非一度空気感を味わいに訪れてもらいたい。

安楽寺は信州最古の禅寺。
境内の奥にたたずむ塔は日本で唯一の木造八角塔で、長野県で最初に国宝に指定された。
塔は本来、お釈迦様の遺骨を奉安したものだが、中世以降は特定の人物や戦死者の
供養の建てられたものが多いため、恐らくこの塔も北条氏の供養塔として建てられたものと考えられる。
一見四重塔に見えるのだが、一番下の屋根は「裳階」と言われており、ひさしに相当するので数えないそう。
本堂のある位置から入場料を払い、木々の間に整備された階段を数十段と上っていくと
その塔はある。
造りがとにかく細かく、あの湾曲した木はどのようにして切り出したのかと
考えさせられる。
八角ともなると立体的かつ厚さを感じ、圧倒された。
塔に着くまでにかなり階段を上るので
ご高齢の方や身体に不自由がある方だと近くまで行くのは厳しいかもしれない。
しかし、下から見上げる八角三重塔も十分に存在感があるので是非訪れてみてほしい。

安楽寺の境内の伝芳堂に、惟仙と開山二世幼牛恵仁の等身大の僧侶の「頂相」が並んで祀られている。
没後、お弟子さん達が慕い造立したもの。
安楽寺が鎌倉と同水準の禅宗文化を受容し、「信州の学海」として、
修行僧を多数輩出していたことが分かる貴重な文化財である。
実際に見ると大変造りが細かく、お弟子さん達の腕の良さが伺える。
八角三重塔を参拝する順路の途中に祀られているので一緒にご覧いただきたい。

真田昌幸によって築かれた上田城。
この城は真田氏が「関ヶ原の戦い」を含む、二度にわたって、徳川の大軍を追い払った実践経験のある城として有名である。
廃城となったが、現在でも本丸と二の丸には土塁、石垣、堀跡がある。
また、本丸の三基の櫓は昔の姿をとどめており、観覧が可能である(有料)。
堀跡の周りを一周できるように道が整備されており、観光しやすい文化財である。
敷地内や周辺には”真田神社”や”市立博物館”、”児童遊園地”などがあるので
歴史の理解を深めたい方や家族連れなど幅広い方々に楽しんでいただけると考える。
上田市では最も有名な文化財であり、観光スポットであるので
まだ訪れたことのない方には是非歴史の一部を体感しに出かけてもらいたい。

太古より国土の鎮守と仰がれ、国の真ん中あたりに祀られる大八洲(日本列島)の神、
”生島大神”と”足島大神”が鎮座している。
歴代の上田城主の北条氏、武田氏、真田氏などからも厚く崇敬されたという。
夏至には東鳥居から朝日が昇り、冬至には西鳥居に夕日が沈む神秘的なスポットでもある。
朱色の立派な建造物(本殿は県宝に指定されている)が印象的だ。
神社とは少し離れた位置にある大鳥居は来訪者の目印となっている。
境内はそこまで広くないので回りやすい。
七五三や神前挙式などに選ばれる神社なので、タイミングが合うとより幸福感を
味わうことのできる場所である。
大地と太陽を結ぶと言われる所以を是非体感しに訪れてみてほしい。