3月21日(火)、上田東急REIホテルで「『近世上田藩上塩尻村の総合研究Ⅱ』出版記念国際公開シンポジウム」が開催されました。
旧上塩尻村(現在の上田市上塩尻)では、江戸時代から蚕種製造が盛んとなり、それを背景に市場経済が発達し、併せて地域の共同性が育まれてきました。この日のシンポジウムは東北大学の長谷部弘先生、愛媛大学の高橋基泰先生らの研究グループによる上塩尻村研究の成果報告会です。
学術的でかなり硬派のシンポジウムにもかかわらず当日は発表者も含め40名近い参加がありました。旧佐藤宗家(代々当主が藤本善右衛門を名乗った佐藤一族の宗家)の史料をはじめとして、上塩尻の各家々や上塩尻文庫蔵の資史料などから歴史的な背景が解き明かされた研究が披露されました。
<当日のプログラム>敬称略
①開会の挨拶 高橋基泰(愛媛大学)
②近世上塩尻村の市場経済化:村落社会、同族団、蚕種業 長谷部弘(東北大学)
③上塩尻の天明と天保の凶作―宗門改帳と農事暦からわかること― 村山良之(山形大学)
④上塩尻村永続講について 岩間剛城(近畿大学)
⑤江戸時代、上塩尻村の人ノマにとっての土地とは? 山内太(京都産業大学)
⑥上塩尻村の割山 佐藤康行(新潟大学)
⑦上塩尻村各家ノマの家系図について」 高橋基泰(愛媛大学)
⑧報告へのコメント ベアトリス・モリング (ヘルシンキ大学)
西部地域の中でも蚕種製造の中心地として特筆される「上塩尻」の奥深さを知る得難いシンポジウムでした。研究成果は以下の大部な書籍にまとめられています。
『近世日本における市場経済化と共同性 近世上田領上塩尻村の総合研究II』
長谷部弘・高橋基泰・山内太編 刀水書房 2022年
地区コード | 上塩尻(塩尻地区) |
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管理番号 | 3077 |
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カテゴリ名 | 蚕種の郷 |
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