蚕種家滝澤秋曉「司令塔」より③

蚕種家滝澤秋曉「司令塔」より③

  滝澤家の蚕室についてはこのように書いている。

『僕の養蚕は、いつでも2号蚕室(北側にある大蚕室)が根城で、それにあふれたのを1号蚕室(門東側の小蚕室)へ、1号に余ったのを母屋に移す。1号と母屋は母が指揮を執っている。』
 
屋敷と蚕室のつくりは、次のようだった。
『長屋門の東側には納屋、薪屋、味噌蔵、貯桑場が、西側には、寝室、文庫蔵、穀蔵がつながっている。母屋の北30mに東西方向に間口12間半(約22m)、奥行きは3間(約5m強)、南に1m、北に2m幅の通しの内廊下のついた2号蚕室がある。中央には玄関兼司令塔が凸出している。屋根は、18mの気抜き屋根、大屋根と廊下の屋根が3段になっているので、外から見ると2階づくりに見えるが、平屋っである。ただ、床下は1m強の上、さらに地下に60センチ掘り下げて土間があり、地下室のようになっている。
 これを5室にしきって、各部屋は間口2間半、奥行き3間、東西に蚕棚を設け、一通りに18枚の蚕籠をさし、東西で12通り、1室で206枚、5室で合計1056枚の蚕籠を収容できた。』

*写真は、22年の秋に隣家が取り壊され、東側から撮ることができた。左側が門から続く2階建ての1号蚕室。右奥の2号蚕室まで納屋から貯桑場まで一続きになっている。奥に2号蚕室が見える。平屋と書かれているが、戦後になってアパートとして使うため2階建てに改造された。

登録日:2023-05-22 投稿者:やまさん
地区コード秋和(塩尻地区)
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